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大鯛 コメント
   

 粋でいなせな祭姿につきものなのが手ぬぐい。手ぬぐいは、いろいろな用途に使われてきましたが、ハンカチ・タオル・あるいはバンダナなどに押されて、家庭の中ではめったに見られなくなってきました。
  数年前の町内のお祭りの時、寄付を集めてまわるのに手ぶらでは行きにくいから、何か持ってまわろう。という事になりそれでは、手ぬぐいが良いかろうと、はじめて手ぬぐいを染めてもらいました。それ以来毎年町内の祭には新しい手ぬぐいを作っています。それから少しづつ手元に手ぬぐいが集まってきました。

 子供の頃(私は昭和30年生まれ)身のまわりには手ぬぐいがたくさんありました。手ぬぐいの使い方は色々ありました。例えば  

ハンカチの様に汗をふいたり、手がぬれた時に使う。
タオルの様に体や顔を洗う時に使う。
十数枚の手ぬぐいをぬい合わせて「ゆかた」として使う。
その「ゆかた」をほどいて、赤ちゃんの「おむつ」として使う。
井戸の手押しポンプの先に、手ぬぐいを袋状にして取り付け、砂やサビを取り除くフィルターとして使う。
川で魚をすくう網として使う。
2枚の手ぬぐいを合わせて「のれん」として使う。
両はじをぬい合せ袋状にして、つかまえた「いなご」を入れる虫かごとして使う。
同じように袋状にして「こぶ」や「しその実」を入れて、みその中に漬けこみ、みそ漬製造用の袋として使う。
赤飯やおふかしを炊いた時、おひつにあけた上にかぶせる「ふきん」として使う。
おばあちゃんが、和服のえりに、折った手ぬぐいを重ねて、「半えり」として使う。
けがをした時、細く引きさいて、「包帯」として使う。
げたの鼻尾が切れた時、鼻尾のかわりにすげて使う。  等々
(注:私が実際に体験した事以外もあります。げたの鼻尾なんか、すげた事ありません。)
   

 タオルやハンカチ、バンダナなどこんなに多種多様な用途に使われることはないんでしょう。そしてその美しいデザイラスト1インに心ひかれて、手ぬぐいコレクションが、はじまりました。

 手ぬぐいにはどんな歴史がああるのか、少し調べてみました。
『手ぬぐいの歴史は古く、手を拭うための小ぎれ、というより古代から儀礼装身具として冠(かむ)ることにおこっているふしが多いし、それが庶民風俗に於る「てぬぐい」の原点といっても過言ではない。
 室町時代末期に、中国大陸より綿種が渡来し、江戸時代に木綿の生産が普及されるに従って、木綿さらしの布に飛び切り粋で、いなせな江戸のデザインが吹き乱れて ゆく。
 寛永時代には、歌舞伎に「前向い白鉢巻」や、紅白の「かつら巻」、紅白のたすき、ほうかむりなど、舞台上の装身具としての「てぬぐい」を見ることもできる。
 木綿てぬぐいも時代の推移とともに。冠(かむ)りから、被りへ、日常的な生活用具として実用とお洒落を兼ねたものとなってゆく。
 江戸中期には、若い娘たちにとって五尺てぬぐいはあこがれであり、若い衆から贈られる五尺てぬぐいは求婚を意味し、受け取れば婚約成立にもなる (中略)
 天明四年(1784)の「たなくひあはせ」(てぬぐいあわせ)は山東京伝が主催した風流なてぬぐいのコンクールであり、鑑賞に価する江戸のデザイン競べであったし・・・・・

 引用・・・・川上桂司 著 「染絵てぬぐい」
  平凡社太陽特集 木綿さわやか 記載       』


すてきなデザインに心ひかれて集めた手ぬぐいのコレクション
Modeたなくひをご覧ください。         
 
かまわぬ