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私 の 本 棚

15年6月の読了

 会社つとめをやめ、ネクタイをはずし、サングラスを掛けるところから不良中年がはじまる。古今東西の不良中年を紹介し、不良の薦めを語るエッセイ集。ギャンブル、酒、恋愛と古来不良の道には欠かせないアイテムをそれぞれに紹介し、著者のもっとも尊敬する不良作家「檀一男」のことなど、愉快な文章で紹介しています。まあ、あまり堅苦しくなく不良をめざしてすすみましょう。(6/16)

「不良中年」は楽しい

嵐山 光三郎 著

講談社文庫

¥448

 文庫の目次を見てまず驚く。第5章から1章まで普通とは反対に並んでいます。物語はカメラマンの「北川光司」の写真家としての軌跡を現在から過去に向かってそのときの時代を一枚の写真が語りかけるように著されています。写真家を目指す某私立大学の芸術学部写真学科に学ぶ「北川」がスタジオを主催し、彼に師事するアシスタントたちと写真を通じて真剣に勝負していく痛快さを感じさせました。妻や写真家を目指すアシスタント、モデルなど多彩な人びとを登場させ物語は時代をさかのぼり、原点といえる大学の卒業写真へ向かいます。作者の意図した現在から過去に向かう物語のは、最終章まで読みまた最初から読み返させたくなるような手法を感じました。(6/11)

ストロボ

真保 裕一 著

新潮文庫

¥514

 吉良側からみた忠臣蔵。吉良上野之介の小姓、清水一学を主人公に吉良の人となりを考察する。悪役の代表とされる吉良上野之介は実際には特産の饗庭塩の増産を図ったり、領地の経営に積極的であり、庶民的な「赤馬の殿様」と呼ばれ領民に慕われていたという。清水一学はそんな上野之介に見いだされ小姓となり、討ち入りでは上野之介を守り闘い討ち死にをする。浅野匠之上が殿中で刃傷に及んだ直接の原因を独自の視点から推理しています。多くの「忠臣蔵」がとる浅野=正義 吉良=悪という構図を見事に覆した新たな忠臣蔵に1冊です。(6/7)

上野介の忠臣蔵

清水 義範 著

文春文書

¥470

 武士の自死の方法としての「切腹」。切腹は主君から賜るものであり、武士の懲罰にはその他「成敗」「斬首」がありました。「たそがれ清兵衛」が藩命により藩士を成敗に出かけていったのはその藩士が切腹を拒んだからだった訳です。切腹により罪が精算され、家名が残され相続者に藩主から録が支給されることになり、その上武士としての名誉も保たれたのです。ですから責任をとって切腹することにためらいがなかったのです。また赤穂浪士が切腹を賜ったのを喜んで受けたのは本来斬首に相当する罪であったものを「切腹」という武士の名誉を保てたからでもあったのです。また死んだ主人に従いて殉死することを「追い腹」、無理矢理切腹させて責任をとらせたのを「詰め腹」とよぶそうです。武士の責任の取り方について分かりやすく著されています。(6/2)

切腹 日本人の責任の取り方 

山本 博文 著

光文社新書

¥700


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