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長  月

 1965年に書かれたこの著書は、当時朝日新聞の特派員であった著者によって書かれた、ベトナム戦争の日本における初めてのルポルタージュです。全てが全線、サイゴン市(ホーチミン市)での公開処刑や、ジャングルでの戦闘の様子、ベトナム人僧侶のことなどを通じて、アメリカ軍、南ベトナム軍、ベトコンの戦争が全土を、さらに東南アジア全体に及ぼした影響と歴史をジャーナリストの目を通し、すこぶる豊富な語彙を用いて書かれています。  カメラマン「沢田教一」はベトナム戦争戦場の報道写真「安全への逃避」でピユーリッア賞を受賞する。沢田は戦場の写真に何を探していたのだろうか。沢田の妻の著者によって著された著書は、戦争の悲惨さと人間愛を捉えた写真集です。

 現代の心の悩みから生じる様々な病気を、紹介しています。「心身症」「パニック障害」「摂食障害」「アンダーライン症候群」「エリート鬱病」など現代人の心の悩みは多いものです。精神神経科の著者による大変読みやすく、よく理解できる著書です。  大阪府警の刑事が拳銃の取締を命じられる。「どんな手を使っても暴力団の拳銃をあげろ。殺し意外はすべて見逃せ」と命じられ、暴力団員から情報を得るべく潜入していく。髪を染め、バックは「ルイ・ビトン」時計は「ROLEX」財布にはいつも30万円を入れ、その筋の人と見間違うようにして、拳銃を摘発した。しかしいまはなんと刑事裁判の被告の立場である。警察内部で行われたのはなにか?警察内部の腐敗を描く驚くべきノンフィクション。

昭和四十四年東大安田講堂が東大全共闘によって占拠され、機動隊の壮絶な封鎖解除はまさに現代の「城攻め」でした。警視庁警備一課長として全線の指揮を執った著者の危機せまる様子や、機動隊員の生死を賭けた行動の様子がありありと 描かれています。東大闘争とは何であったのかを昭和史の中で解説しています。 医師が治療の中で患者と向き合うとき、結核、ガン、白血病の患者さんの壮絶な闘病と医師の葛藤が書かれています。救急看護に疲れ追い込まれた医師が、翌日には襟母岬でカメラマンの助手をしていたと言う顛末を迎えるラストは衝撃でした。かってのベストセラーです。
 アルコール依存症。やめようと思ってもやめられない依存症。病気の歴史的成り立ちから治療法まで、高校の歴史の先生と著者の会話の中から病気の根元を著しています。医学書ではない平易な文章でアルコール問題についてわかりやすい1冊でした。 血塗れのマリアが心を癒しにホテルにやって来ると、そこにはかつての恋人の医師がいて、アルピニストに助けられた中学生が織りなすプリズンホテルの冬景色。浅田ワールド全開です。