読んだ本買った本

零 二/卯 月

 歴史小説好きにお奨め

吉良邸討ち入り後姿を消した足軽「寺坂吉衛門」は討ち入りの様子を後生に正しく伝えるため、大石により脱名を命ぜられる。大石家の家人瀬尾孫左右衛門は討ち入り前夜大石の子を身ごもった「おかる」を養育するように命ぜられ脱名する。討ち入り後の様子を描く。「最後の忠臣蔵」では大石の遺児、おかねの嫁入りに名乗り出る旧浅野家の家臣たちの出現は涙を誘います。(4/1)

昭和史に興味のある方お奨め

 占領下の日本で起きた3大事件の一つ「松川事件」は福島市の浅川付近で上りの旅客列車が何者かによって転覆され、乗務員3人が死亡する。警察は国労福島支部の幹部と東芝福島工場の組合員を逮捕し、事件は共産党員によって起こされたものとして裁判をおこす。第1審は死刑を含む全員有罪。最高裁判決で逆転無罪となった歴史的事件を、真犯人を登場させることによって謎の「松川事件」の真相を推理しています。真犯人と占領下におけるGHQの存在が意外な結末を迎えます。(4/10)

 1997年香港は99年間の租借期間を終え中国に返還された。返還にまつわる密約とは何か。英国の富豪一族は17世紀、東インド会社を牛耳ることにより中国、更には東アジアをその支配下に置くことに代々腐心する。ストーリーはイギリス/香港/アメリカ/中国と謎の密約を巡り、サスペンス映画のごとく展開する。香港の大銀行のコンピューターにハッキングする場面などは現代のハイテク犯罪の手口に息を呑みます。(4/20)

 しぶとく生きる「とらたま」エッセイ集。法すれすれのところで、命の次に大切な金を稼ぐ男たちの話。よくもまーあ壁のあっち側に落っこちなかったものという悪事の数々。伝説のヒットマン「ピスケン」や「懲役ぼけ」の話など、ピカレスク小説「プリズンホテル」や「きんぴか」のモデルはこれだと言う話が沢山。(4/21)

お奨め

 小説「すばる」新人賞受賞作品。フリーの騎手「八弥」は騎乗依頼を待ちながら貧しい生活を送っている。ある日天賦の才能を持つ新馬「オウショウサンデー」の鞍上に乗り、デビュー戦勝利を勝ち取るが、馬主と意見の相違から、鞍上をはずされてしまう。騎手のこと、厩舎のこと、そしてレースのことなど。全く競馬をやらない私にもたいへん面白くわかりやすく、そして新鮮な世界の話でした。(4/23)

明治4年金沢県(現在の石川県)で日本最後の仇討ちが行われた。加賀藩家老本多政均は藩政に不満を持つ藩士に殿中で刃傷を受け、一命を落とす。本多家家臣の15名は密約を結び主君のあだを討つため暗殺を企てる。無事本懐を遂げた15人は定法により切腹を申しつけられる。加賀藩義史伝に沿い忠実に書かれたもう一つの忠臣蔵です。
ゴルフ場でレッスンを受けたのはトーナメントプロ。特別にプロから受けるレッスンクラブの入会金は500万円。脱会時には9割返還される。ある日行われたコンペでは「総にぎり」。さてコンペが終わって請求された金がくとは?浅田ワールドとらたまッセイ集第2巻。(4/27)

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