30周年記念 トーテムポール

(福島県青少年会館 福島市)

トーテムポール 製作秘話

 昭和55年2月のある日、寒風吹きすさぶ福島県青少年会館の前庭に5団のスカウト・リーダーが集まり、創設30周年を記念して計画されたトーテムポールの製作が始められようとしていた。当時のシニアー隊長(現副団委員長)の調査によれば完成までほぼ「3週間を要す」予定である。作業はスカウト・リーダーがほぼ毎日現場に足を運び、材木の皮剥、彫刻、彩色等、全ての作業を行った。

 真冬の寒さにかじかむ手に息をかけ、春の柔らかい日差しを額に受け、桜の便りを聞き、おぼろ月夜を頭上にして、作業はつづけられた。

 ゴールデンウイークを返上して、ようやくトーテムポールがその全容を表したのである。まさに材木を搬入した日から数えて154日目であった。

その完成を期し青少年会館に寄贈が行われた。

 日程の調査を行った現副団委員長は、その「読み」の甘さから、以来「ホホイの***」とありがたくないあだ名を頂戴することとなった。

 その後2度の大修理をしたトーテムポールではあったが、胴体部分の腐食が進み倒壊の危険があることから、平成8年5月に残念ながら我々自身の手で解体せざるを得なかったのである。

 現在はその土台部分と胴体の足の一部とが残っているだけである。

 しかし我々の心の中にはかつての勇姿が、燦然と輝きながらも今も堂々と羽根を広げているのである。

そして「ホホイの***」のあだ名は、今でも健在である。